剛腕経営者からの承継
剛腕経営者からの承継上の注意点
決断をしない社員
多くの創業者は強烈なリーダーシップにより組織を導き、会社を軌道に乗せます(ソフトバンク然り、ユニクロ然り、HIS然り)。0から会社を作り上げなければならないので、皆の意見聞きながら、民主主義的にやっては物事が前に進みません。そのため、独裁的に、剛腕を発揮しながら一気に会社を作り上げていきますし、それが必要だと思います。
ところが、そうすると一つ問題が起きます。社長が全てを決め、社長の指示の下で仕事を行うので、社員は、自分で決めたり、自分で考える機会が非常に少なくなります。所謂指示待ちや、決断をしない、責任を取りたがらない(取り方が分からない)、そんな社員がどうしても増えてしまうのです。
先日、とある中堅商社の次期経営者候補の友人とお話ししましたが、まったく同じことを言ってました。そこでも剛腕な先代がいて、その方が全てを決め、全ての指示を出していたところ、多くの社員が自分で決めたがらない、仕事を自分事としていない、最後は「社長がどう思うか」を確認した上で仕事をする、という習慣が身についてしまったようです。そこの先代は既に他界してしまったため、今後は、会社の未来を社員全員で作っていかなければならないのに、そのようなマインドでは物事が進みません。
(因みに、京セラの社員の方から話を聞くと、「稲盛さんは社内で”神様”と呼ばれている。存在感が凄すぎて、役職者は稲盛さんを見ながら仕事をしている節がある」と言ってました。中小企業に限りませんね)
中途採用も一つの手
そのような問題の解決策として、育成や制度作りもありますが、「中途採用社員」の活用といった手法もあります。昔からの社員は前述のような体質なので、これを変えるとなると相当の時間と体力が必要です。しかし、外の世界を経験した、中途社員の方はそのような体質はありません(勿論、そうじゃないケースもありますが)。中途社員の方が、現場レベルで周りに良い影響を与えます。「この人、1人でどんどん仕事進めるなあ」「あ、社長に意見してる」といった姿に刺激を受けるのです。
このあたりを上手くやった会社もあります。私のお客さんなのですが、ここは中途採用を積極的に行い、年齢に関係なく、実力で登用をしていきます。ある上長会議なんかでは半分くらいが中途採用でした。すると、外で学んだことを、どんどん発揮していきます。従来の社員が「こんな感じかな」と報告や発言していたことに対し、中途社員がレベルの高い内容をビシッと発言します。そうなると、周りも影響され、会議の質が大幅に向上しました。
というように、中途社員を上手く活用すれば、剛腕創業者の副作用を払拭し、会社としての大きな推進力になる可能性があります。(勿論、そんな人を、どこで募集して、どう口説くか、イエスマンではない人材を採用する度量はあるか、などクリアすべき課題は多々はあります)
ご承知の通り、時代や会社の成長と共に、必要な人材も変わります。既存の人材を変えるのは中々難しい(若手はまだしも)。それよりも、中途社員が「現場」で「普段から」刺激を与える方が効果的なケースもあります。